2016/12/02(金) 11:27:56

世界に冠たる、、だった、日本のカラスミは今何処

昨夜、かなりお味のわかる方々に
カラスミが全然違う
と感動していただき
ちょっとカラスミについて書いてみようかなと、、。

今の日本のカラスミは
業者が漁師と、契約し
漁師がとったものをどんどん塩の中に放り込んでいき
ある程度量が溜まった時に
業者が引き取り
何日も水につけ、塩抜きしたものを干すだけ、、。
「毎日手間暇かけて裏返し」とか書かれていたりするので
笑ってしまいます。
そうした、幼稚園の子にも、すぐにできそうなものが
純国産の高級品としてりゅうつうしています。
これでは、ラテンやフランスの、ボッタルガと
同じになってしまい
カラスミではありません。

本来はこういうものです。
この技法は私が幼稚園の終わり頃から
小学校の1-2年生の頃に師匠に仕込まれたやり方を
中学生の頃にかいりょうしたものです。
初めての方がチャレンジしますと
一腹4じかんくらいかかるかも、、。

写真はクリックで拡大します。

このところ
いつもは電話で抑えるものは抑え
市場に行くのは伊藤くんに任せているのですが
この1週間、ボラの卵が動く時刻に合わせて
1番乗りで市場に通い詰めています。
で、例によって
悪魔のような山猫としては
良いボラの卵を扱う4軒を一番乗りでまわり
一番良いのをあちらから3ほん、こちらから2本と
ハゲタカのように漁って歩くわけです。
毎日良いのだけ集め
最高の手間をかけ
カラスミ作り53年の私が作っていますので
たぶんそんなにまずくはないかなあとおもいます。

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水を張ったバットの中で、太い血管の要所に切れ目を入れていこます。

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先の尖っていないものを使い
袋を破かないように血管をなぞり、血をいどうしていきます。
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結構血のまわりがきついものは
水から出して、ちょいと厄介ですがこまかいさぎょうになります。


そのあと、毛細血管を面から裏にかけてなぞっていきます。
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かなり血抜きができてきました。
20161202110819519.jpg
朝6時に市馬のお店4軒をまわり、いいのだけ拾ってきましたが、
やっぱりなかなかのさぎょうになります。

朝10時、
だいぶ指がふやけました。

2016120211082178e.jpg

塩梅よく天然塩を振り馴染ませた後
しばらく寝かし、臭みのある水気を、
抜く作業にはいります。
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この後作業は
一眠りしてから再開です。





40年近く昔、イタリアの厨房でカラスミのパスタを食べ
「ちょっと荒いよね、血抜きができてないね、このカラスミ」
と言って、友人の料理長に睨まれてしまいました。
「これは本場のサルディニアの最高級品だよ」と、。
で、たまたまローマの市場に
生きた卵を持った大きなボラが入ったので
これが昔からの
「日本の作り方だよ」といって
作って見せました。
最初は私の作業を見て
「日本人はは気が狂っている」
といってました。
数日後にできたカラスミを食べ
大変感銘を受けていましたが
これは「カラスミ」であって
「ボッタルガ」ではない。
という結論になりましたが、
これは貴重なサルジニア島の
大切に伝わってきた保存食文化であり
第一それは日本ではいくらで買えるのか?
1980年代のことですが
「ここまで仕上げたものは3-4万円くらいだよ」
「それを庶民が食べてるのか?」
「いや、、それは、、」
当時のイタリアのボッタルガは40年近く前のことで
確か12000リラくらい?だったので記憶がイマイチですが
結構立派なのが
1000円くらいで買えたとおもいます。
まあ、30-40分の1の価格ですから
ある意味なっとくであります。
そのカラスミを仕込むのに
多分私が仕込めば1本15秒くらいでしょうか?

だから日本でお出しする時に
「カラスミのパスタです」と言うから
問題なわけで
ボッタルガです。
といえばなっとくなのです。
イタリア文化を尊重する意味でも
ボッタルガをカラスミですと言ったことはないですし
イタリア人に説明するときも
これはボッタルガではないよ
カ ラ ス ミ だよ。といってきたわけです。
でもやっぱり日本人の私としては
食後にいがらっぽさや、エグさや臭みが残るので
好んでお出ししない代わりに
たまにですが、自家製のカラスミのパスタ
をおだししています。
こう言うカラスミは現在の日本では
(求められていない、と言うか)
ほとんど商品として流通しないので
つくるしかないわけです。
また、3-4万のカラスミを使えば
お金持ちの人にしか出せないですが
私の手間賃はタダと考えれば
お気軽に世界の最高品質を
たべてもらえるわけです。

この後は、ご用とお急ぎ出ない方、読んでね。

昔の日本のカラスミは、
間違いなく「世界に冠たるからすみ」でした。
明治時代以降に日本の文化が
どんどん切り捨てられ
あらゆる文化が切り捨てられ
「利」優先の西洋コンプレックスの
(カッコつき) 「日本文化」になっていきました。
夏目漱石など読み込んだ方は
ご納得の通りです。
ほんの百数十年前のことですが
それは
過去の時代のことを忘れ去ってしまった
「今の日本人の常識」は、特に
歴史学者さんたちも認めるように
昭和40年くらいからのものと思ってよいでしょう。
それが
「料理の文化」においでは、本当にひどい。
この100年のうちに
日本の料理だけでなくフランスやイタリアの料理でさえも
様変わりするくらいに年々ひどくなって行く
レベルの低下は、かなしいものがあります。
兎に角流通(売れること、経済が回ること)
を人間の命よりも優先することになってしまったので
(原発や、その事故の処理もせずに
出てくる放射能を全国に散らして埋めたり
放射能まみれの地元の人たちの
当然、移住出来るところを各都道府県に
認めさせ、確保しなければいけないのに
「故郷に帰りなさい」なんて政策が、
恥知らずにも国民に認められ
まかり通ってしまう国は
世界でも日本くらいのものではないでしょうか?
チェルノブイリよりもひどい事故だったのにもかかわらず、、
です。
ウクライナの中心地は
未だに人が住んではいけないエリアです。
日本の政治家は都合の良いときだけ
人命尊重っぽいことを
アリバイ的に言ってみたりはするのですが、、。
ロシアですら
こうした点では、経済よりも
人命をそんちょうしているからです。
経済効率が悪いという理由で
住めないとこに人をすませようというのは
真っ当なにんげんのかんがえかたではありません。
そんな世の中ですので
まともな食材を作ろうとする生産者は
基本的にやっていけなくなり、
まともな食材が希少になってしまい
料理人も、「なんとか代用品で、、」
という時期もあったようだが
今はそんなことも考える人は
ほとんどいなくなってしまった。
素材があっての技術であり
技法であります。
昭和の頃から
今で言う 低温調理や真空調理
分子調理法を実践してきた私としましては
最近の料理はとても悲しく感じられてしまうのです。
例えばサーモン系の魚のアニサキスや
清流系の魚の寄生虫が死ぬ、
つまりたべてもあんぜんなおんどは、、、
と言った時に
この養殖法は寄生虫がいませんので、、、
って、 「薬ずけかよー」ってことになります。
それってもしかして「料理」?
って世界になってますよね。
これは料理人のレベルの低下が原因の一つ
よい例です。(よくはないですが)
モンサント社の殺虫剤を塗りたくって
日本に入ってくる
0ル0〜霜降りのサーモンは食べないよう
私はいつも言ってますが、、。
なかなかひろまりませんね、、。
みんな子供を産んでから気ずく、。
病気になってから気ずく、、。
きずかないよりはよいにですが、、、。
その前にきずけばもっと良いのにね。
スペインの創作料理やが火付け役となった
馬鹿げた食材のビジュアル系粘土細工で
目先の媚びたものを作るのではなく
(料理も芸術も模倣から始まるのは確かではありますが
歴史というものがあってこその模倣であり
粘土細工のようなアホなものの模倣をしても
アホの上塗りのように思えます。)
農薬ずけのエディブルフラワーを
料理のばらまくのではなく
目先の(単なる経済活性化の
村おこしみたいな発想の
ナンチャッテ地産地消ではなく)
除草剤の上に成り立っているような
ゴルフ客に媚びるのではなく
ダイオキシンのチャンピオンのような
00のま0ろとか
キ0キ、や金目鯛とか
霜降りステーキとかではなく、、。
もっと声を高くして
良質な生産者を応援していかないと
商品はあっても食品がありません
粘土細工はあっても料理はありません
みたいな時代は
すぐそこまできてるとおもいます。

非 ビジュアル宣言、、、なんちゃって、、。




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